平出油屋プロジェクト

引き続きご支援をお願いしています!
現在、搾油施設の完成をめざしています
全国の多くのファンから惜しまれながら、江戸時代から続いた老舗の平出油屋さん(会津若松市)が2022年に廃業しました。玉締め圧搾法という全国でも数少なくなった伝統的な製法で、主に菜種油を絞ってこられました。私、小原直樹が店主をつとめる「とうふ屋おはら」(喜多方市)は2000年の創業以来その菜種油を揚げ物に使用し、人気商品となっていました(現在は製造休止。再開は新しい搾油施設で油搾りが始まる9月以降になります)。

廃業の話を聞き、とにかく搾っている間に習っておこうと弟子入りしました。 平出さんから設備一式を譲っていただけることになったので、その技と設備を未来に残したいと、クラウドファンディングに挑戦。campfire(キャンプファイヤー)で1000万円の目標を掲げ、2024/6/22から7/31まで実施しました。その結果、全国にひろがる平出油屋のファンなど多くの支援者のおかげで、目標額を大きく超える1351万4000円の支援金が集まりました。(campfireのプロジェクトは こちらをご覧ください。終了済み。)すでに、搾油施設の移設に向けて準備を進めています。詳しくは「平出油屋プロジェクト進捗状況」をご覧ください。4月中に搾油施設の完成、8月に原料のナタネを確保し9月以降に本格的な油搾りと菜種油の販売を予定しています。

移設の準備が予想外に大変でした
新たに搾油工場にする物件がなかなか見つからないまま、クラウドファンディングの開始日が近づく中、大和川酒造店(喜多方市)の佐藤彌右衛門会長のご好意で、喜多方市内の蔵のある古民家(紅葉庵:もみじあん)を借りることになりました。その蔵のひとつを搾油施設に改修することにしました。

下の写真は、搾油施設にする紅葉庵の蔵の外観と内部(改修前)



改修計画を立てるにあたり保健所に相談に行き、食品衛生法の基準を満たすために
- 現状の土壁ではダメで、上に耐水性の壁を作ること
- 上の梁(はり)などからホコリが落ちてこないように天井を設けること
- 手洗いやシンクを設けること
などが指摘されました。蔵には電気や水道も来ていないので、それらも必要となります。
また、平出油屋さんの設備には
- そのまま使えるもの(ゴミをとる篩、ろ過装置、充填用タンク)
- 修理やオーバーホールが必要なもの(玉締め機、圧偏機)
- 改造が必要なもの(焙煎釜の回転羽根にモーター)
- 解体して、部材を再利用しながら組み立てるもの(焙煎炉)
- 新たに同等品を調達する必要のあるもの(油圧ユニット、昇降機、煙突、蒸気ボイラー)
などにわかれ、単に設備を移動したら使えるというものではありません。平出油屋では、大きな1つのモーターで、平ベルトをつけたり、はずしたりして油圧ポンプ、昇降機、焙煎釜、送油ポンプを動かしていましたが、平ベルト自体が製造されていないため、それぞれの機械にモーターをつけることになりました。玉締め機を動かす油圧ユニットは老朽化のため、新しいものに交換します。
下の写真は焙煎炉の解体の様子です。これは耐火レンガを再利用し、私が組み立てることにしました。


経費削減の努力をしましたが予算オーバーに
クラウドファンディングで集まった1351万円から手数料やリターン経費を差し引くと、約900万円をプロジェクトにまわすことができます。そこに自己資金500万円を加えて、計1400万円が当初予算でした。
蔵の改修を担当してもらう工務店や設備の修理・移設を担当してもらう会社に、全て新品で、全ての作業をお願いするという前提で見積もりをお願いした結果、その他の費用も含めて約2100万円になり、約700万円の予算オーバーになりました。
その後、より安価な代替品への変更、中古品の購入、焙煎炉(ナタネを薪で炒る炉)の解体はお願いするものの組み立ては私(小原)が自分でやることにするなど、様々な経費節減策を講じて200万円の削減を達成しました。しかし、それでも約540万円の予算超過となっています。菜種の購入費にあてるためにとっておいた自己資金を100万円追加捻出しても約440万円不足します。(詳しくは「平出油屋プロジェクト収支見込」のページをご覧ください)予算超過の原因は、
- 搾油施設にする物件がクラウドファンディング開始直前に決まり、見積もりをする時間的余裕がなかったこと。
- 資材の高騰
- 移設する設備が、床を解体してみないと状態がわからないものがあったこと。
などがあげられます。とは言っても、クラウドファンディング開始前に正確な見積もりがあったと仮定して、当初の目標額を例えば1600万円としていたら、クラウドファンディングは不成立に終わっていた可能性が大きい(クラウドファンディング期間中に目標1000万円を達成したのち設定したネクストゴール1600万円は達成しなかった)ので、どちらがよかったは何とも言えません。
すでに蔵の改修工事は2/25(火)から着工しており、4月中旬に移設完了の予定で進められています。


今後、原料ナタネ、ビンや缶などの買い付けなどに要する運転資金、油搾りの未来を担う後継者を育成するための研修費用など、まだまだ資金が必要です。まずは、搾油施設を完成させるために約440万円の不足資金を補うために、本プロジェクトに賛同していただける皆様に寄付をお願いしています。
こちらのサイトでは、カンパ(ご寄付)をお願いしていまして、支援いただいても発送物のリターンはありません。メールで活動報告をお送りすることと、搾油施設の付近に立てる予定の掲示板にお名前を掲載します(希望者のみ。匿名可)。
玉締め圧搾法を未来に残すために、法人化して事業を行うことにしました。私が1995年に設立した有限会社ウィズドム(代表取締役 小原直樹)は、様々な事情から長らく休眠会社になっていました。(詳しくは「wisdomについて」をご覧ください。) その休眠を解除して搾油事業の受け皿にすることにしました。この支援サイトでも、振込口座の名義は同社になっています。(ちなみに、油屋の通称は別途つける予定です。)
ご支援は、ご寄付となり発送物はありません。お支払方法は銀行振込またはクレジットカードが選択できます。何卒ご協力をよろしくお願いお願いします。
ご寄付はこちらからお願いします。